クラウドPBXというと、
「スマートフォンで会社の電話を受けられる」
「オフィス以外でも内線を使える」
「複数拠点の電話をまとめられる」
といった使い方をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、最近ではクラウドPBXとAIを組み合わせ、通話内容の文字起こしや要約、対応履歴の整理まで効率化する仕組みも登場しています。
電話対応では、通話そのものだけでなく、
- 電話メモを残す
- 担当者へ内容を共有する
- CRMや顧客管理システムへ記録する
- 折り返し内容を確認する
- 過去の会話を探す
といった「通話後の作業」にも時間がかかります。
AIを活用することで、こうした作業を減らし、電話で得た情報を社内で活用しやすくすることができます。
今回は、クラウドPBXとAIを組み合わせることで電話対応がどのように変わるのかを解説します。
クラウドPBXとAIはどう組み合わせられる?
クラウドPBXは、電話交換機の機能をクラウド上で利用する仕組みです。
固定電話機だけでなく、スマートフォンやPCを電話端末として利用できるサービスもあり、場所に縛られない電話環境を構築できます。
さらに一部のサービスでは、AIを活用して、
- 通話の文字起こし
- 通話内容の要約
- アクションアイテムの抽出
- ボイスメールの要約
- 過去の通話内容の検索
- 通話内容の分析
などを行えるようになっています。
例えばZoom Phoneでは、AIによる通話要約で主な論点、名前、日付、次のステップなどを整理でき、通話後に履歴から確認できます。
電話が「話して終わり」のツールではなく、業務データを残す入口になりつつあります。
活用方法1|電話内容を自動で文字起こしする

電話対応でよくあるのが、
「電話をしながらメモを取る」
という作業です。
担当者は会話を聞きながら、
- 会社名
- 担当者名
- 問い合わせ内容
- 希望日時
- 折り返し事項
などを書き留めます。
しかし、会話をしながら正確にメモするのは簡単ではありません。
AIによる文字起こしを利用できれば、通話内容をテキストとして残せるため、通話後に内容を確認しやすくなります。
特に問い合わせ内容が長い場合や、複数の条件を聞き取る必要がある業務では、記録作業の負担軽減につながります。
関連記事:電話の伝言ミスを防ぐには?情報共有をスムーズにする電話対応のポイント
活用方法2|長い通話をAIで要約する
文字起こしがあっても、長い会話をすべて読み返すのは大変です。
そこで役立つのがAIによる通話要約です。
例えば30分の電話でも、
問い合わせ内容
決定事項
確認が必要な事項
次に対応すること
といった形で整理できれば、担当者は短時間で会話のポイントを把握できます。

実際にZoom Phoneでは、AIが通話の主要な論点や次のアクションをまとめる機能を提供しています。Microsoft Teams Phoneでも、文字起こしや録音をもとにAIが通話概要やフォローアップ項目を生成できます。
活用方法3|電話の取り次ぎ時に内容を共有する

電話の取り次ぎでは、
「どのような用件なのか」
を担当者へ説明する必要があります。
例えば、
「○○社の△△様から、先日の見積もりについてお電話です」
と伝えるだけでは、担当者が電話に出てから再度詳しい内容を確認することになります。
AIによって通話内容を整理できれば、
誰からの電話か
何についての問い合わせか
これまで何を話したか
といった内容を担当者へ共有しやすくなります。
Microsoft Teams Phoneでは、文字起こしまたは録音された通話を転送する際、AIで受け手向けのブリーフィングを作成する機能も案内されています。
電話を転送するだけでなく、会話の情報も一緒に引き継ぐという考え方です。
関連記事:電話の取り次ぎを効率化するには?クラウドPBXで変わる電話対応
活用方法4|折り返し対応をスムーズにする

担当者が不在の場合、
受付担当者が電話内容をメモ
↓
担当者へ伝言
↓
担当者が内容を確認
↓
顧客へ折り返し
という流れになります。
このとき問題になりやすいのが、
「電話メモの情報が足りない」
「誰が対応したのか分からない」
「折り返しの内容をもう一度確認しなければならない」
といったケースです。
通話内容や要約が履歴として残れば、担当者は折り返し前に内容を確認できます。
その結果、
「何について電話があったのか分からない状態で折り返す」
といった状況を減らしやすくなります。
関連記事:電話の取りこぼしが売上損失につながる?企業が見直したい電話対応のポイント
活用方法5|電話対応の履歴を社内で共有する
電話対応が個人の記憶や手書きメモに依存していると、情報が担当者の中だけに残ってしまいます。
例えば、
「以前、お客様とどのような話をしたのか」
「どんな要望があったのか」
「次回何を案内することになっていたのか」
が分からないことがあります。
通話内容を文字データとして残し、顧客情報や案件情報と関連付けられれば、電話対応をチームで共有しやすくなります。
これは単なる電話効率化ではなく、電話で得た情報を会社の情報資産として残すという考え方です。
実際に、みずほ銀行のリモート法人営業では、通話の自動文字起こし・要約を活動記録や情報共有に活用し、記録作業時間を短縮した事例が紹介されています。

活用方法6|電話対応の品質改善に活用する
通話データを蓄積できると、電話対応そのものを見直すこともできます。
例えば、
- よくある問い合わせ
- 顧客から多い質問
- 対応に時間がかかる内容
- 営業電話でよく出る質問
- クレームにつながりやすい内容
などを分析することで、電話対応マニュアルやFAQの改善につなげられます。
さらに、経験豊富な社員の対応内容を共有できれば、新人教育にも活用できます。
電話対応を「個人の経験」に頼るのではなく、チーム全体のノウハウとして蓄積することが重要です。
関連記事:電話対応のマニュアルは必要?中小企業が整備したい電話応対ルールを解説
AIを導入すればすべて自動化できるわけではない
AIによる文字起こしや要約は便利ですが、完全に任せればよいわけではありません。
音声認識では、
- 人名
- 会社名
- 専門用語
- 数字
- 固有の商品名
などを正しく認識できない場合があります。
また、AIによる要約でも、重要な内容が抜けたり、意図と異なる形で整理されたりする可能性があります。
そのため、重要な契約条件や金額、納期などについては、担当者が元の会話や記録を確認する運用が必要です。
AIは電話担当者を完全に置き換えるものではなく、記録・整理・共有を補助するツールとして考えるとよいでしょう。

通話録音・文字起こしでは運用ルールも重要
電話内容には、顧客名や連絡先、取引内容などの情報が含まれる場合があります。
そのため、録音や文字起こしを利用するときは、
- 誰が記録を閲覧できるか
- データをどこに保存するか
- どのくらいの期間保存するか
- 社外への共有をどう管理するか
- 録音やAI処理についてどのように案内するか
といった運用ルールを確認しておく必要があります。
便利な機能を導入するだけでなく、情報管理まで含めて仕組みを整えましょう。
クラウドPBX選びでは「AI機能」も比較ポイントに
これからクラウドPBXを導入する場合、従来の電話機能だけでなく、AIやデータ活用についても確認してみるとよいでしょう。
例えば、
□ 通話録音に対応しているか
□ 文字起こしができるか
□ AIによる要約ができるか
□ 通話履歴を検索できるか
□ 担当者間で共有できるか
□ CRMなど他システムと連携できるか
□ AI機能の利用料金はいくらか
といった項目です。
すべての企業に高度なAI機能が必要なわけではありません。
電話件数や業務内容を考え、自社に必要な機能を選ぶことが重要です。
関連記事:クラウドPBXはどう比較する?導入前に確認したい7つの選定ポイント

まとめ|これからの電話は「通話+情報活用」へ
これまで企業の電話は、「顧客と話すための設備」として利用されてきました。
しかし、クラウドPBXとAIを組み合わせることで、
電話する
↓
文字に残す
↓
AIで要約する
↓
担当者へ共有する
↓
次の対応につなげる
という流れを作ることができます。
電話メモの作成、伝言、折り返し内容の確認など、これまで人が行っていた作業を効率化できる可能性があります。
これからクラウドPBXを検討する場合は、「電話が使えるか」だけではなく、電話で得た情報をどう活用できるかという視点も持っておくとよいでしょう。
電話対応を「記録する業務」から「活用する業務」へ
「電話メモの作成に時間がかかっている」
「担当者への伝言がうまく共有できない」
「過去のお客様との電話内容を確認したい」
「電話対応の履歴を社内で活用したい」
このような課題がある場合は、クラウドPBXとAI機能を組み合わせた電話環境も選択肢になります。
現在の電話対応や必要な機能を整理しながら、自社に合った電話環境を検討してみませんか。
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執筆者:メディアマート株式会社 マーケティングチーム
クラウドPBX、セキュアブラウザ等のユニファイドコミュニケーションやネットワークセキュリティに関わる事業を約15年運営。業界の最新常識やトレンド情報を発信しています。
