「午前中は電話が鳴りっぱなしになる」
「電話対応中に次の着信が入り、対応しきれない」
「特定の社員に電話対応が集中している」
このような悩みを抱えている企業もあるのではないでしょうか。
企業の代表電話には、時間帯によって問い合わせが集中することがあります。
特に、営業開始直後や昼休みの前後、キャンペーンや繁忙期などは、通常より電話が増える場合があります。
電話が集中すると、担当者は本来の業務を中断して対応することになり、電話の取りこぼしや折り返し漏れが発生する原因にもなります。
しかし、電話対応の人数を単純に増やすことだけが解決策ではありません。
着信先の分散や複数人での受電、電話の振り分けルールを見直すことで、現在の人員でも対応しやすい電話環境を整えられる場合があります。
今回は、電話が集中する原因と、グループ着信やクラウドPBXを活用した改善方法を解説します。
なぜ特定の時間帯に電話が集中するのか?
企業への電話は、一日を通して均等にかかってくるとは限りません。
例えば、次のような時間帯には電話が集中しやすくなります。
- 営業開始直後
- 昼休みの前後
- 営業終了前
- 月末や月初
- 繁忙期やキャンペーン期間
- 商品やサービスに関する案内を行った直後

業種や取引先の営業時間によっても傾向は異なります。
また、顧客からの問い合わせだけでなく、取引先からの確認電話や社内の取り次ぎなどが重なることもあります。
電話が集中する時間帯を把握せず、常に同じ人数・同じ方法で対応していると、特定の社員に負担が集中する可能性があります。
まずは、自社の電話がいつ、どのくらい発生しているのかを確認することが大切です。
電話が集中すると起こる3つの問題
1.電話の取りこぼしが発生する
代表電話を受ける社員が別の電話に対応していると、新しい着信に出られない場合があります。
対応できない電話が増えると、問い合わせの機会を逃したり、お客様に何度もかけ直してもらったりする原因になります。
特に新規顧客からの問い合わせが多い企業では、電話の取りこぼしが営業機会の損失につながる可能性があります。
関連記事:電話の取りこぼしが売上損失につながる?企業が見直したい電話対応のポイント
2.特定の社員の負担が増える
代表電話を総務担当者や事務担当者だけで受けている企業では、その社員に電話対応が集中することがあります。
電話のたびに作業を中断するため、本来の業務が進みにくくなる場合もあります。
特に少人数の企業では、電話対応と通常業務を両立できる仕組みが重要です。
3.取り次ぎや折り返しが増える
電話を受けられても、担当者が不在の場合は伝言や折り返しが必要になります。
着信が集中しているときに取り次ぎまで重なると、受付担当者の負担はさらに大きくなります。
電話を受ける仕組みだけでなく、担当者につなぐまでの流れも見直す必要があります。
改善方法1|複数人で代表電話を受ける
電話対応の負担を分散する方法の一つが、複数人で代表電話を受けられる環境を整えることです。
例えば、これまで受付担当者1人だけが代表電話を受けていた場合、別の社員も対応できるようにすることで、着信への対応力を高められます。
このような運用に役立つのが「グループ着信」です。
グループ着信とは?

グループ着信とは、複数の電話端末や社員を一つのグループとして設定し、着信を振り分ける仕組みです。
サービスや設定によっては、
- 複数の電話機を同時に鳴らす
- 決められた順番で電話を鳴らす
- 対応可能な社員へ着信を振り分ける
といった運用ができます。
例えば、代表電話を総務担当者3人で受けるようにすれば、1人が別の業務をしていても、他の社員が対応できる可能性があります。
ただし、着信方式や同時通話数などは利用するサービスによって異なるため、事前の確認が必要です。
改善方法2|一斉着信と順次着信を使い分ける
グループ着信では、着信をどのように振り分けるかも重要です。
代表的な方法として、一斉着信と順次着信があります。

一斉着信
複数の電話機を同時に鳴らす方式です。
例えば、受付担当者3人の電話機が同時に鳴り、対応できる社員が電話を取ります。
比較的少人数のチームで、誰かがすぐに対応できるようにしたい場合に適しています。
ただし、すべての電話機が同時に鳴るため、電話対応の担当者以外にも着信が気になる場合があります。
順次着信
あらかじめ決めた順番で電話を鳴らす方式です。
例えば、
受付担当者A
↓
応答できなければ担当者B
↓
さらに応答できなければ担当者C
という流れです。
最初に対応する担当者を決めながら、応答できない場合にほかの社員へ着信を回す運用に向いています。
どちらが適しているかは、社員数や電話件数、業務内容によって異なります。
単純に全員の電話機を鳴らすのではなく、実際の対応体制に合った着信方式を選ぶことが重要です。
改善方法3|時間帯によって着信グループを変更する
電話が集中する時間帯が分かっている場合は、その時間だけ受電する人数を増やす方法もあります。
例えば、
| 時間帯 | 電話対応 |
|---|---|
| 9:00〜10:00 | 総務・事務の複数人で受電 |
| 10:00〜12:00 | 通常の受付担当者が受電 |
| 12:00〜13:00 | 自動音声または交代制で対応 |
| 13:00〜17:00 | 通常の受付担当者が受電 |
| 17:00〜18:00 | 複数人で受電 |
このように、着信が多い時間帯と少ない時間帯で運用を変えることが考えられます。
クラウドPBXには、時間帯によって着信先や着信ルールを切り替えられるサービスもあります。
ただし、グループの自動切り替えなどに対応しているかは、各サービスの仕様を確認する必要があります。

関連記事:営業時間外の電話対応はどうする?自動音声・留守番電話・クラウドPBXの活用方法
改善方法4|自動音声案内で問い合わせを振り分ける
電話が集中する原因の一つに、さまざまな問い合わせが一つの代表番号に集まっていることがあります。
例えば、
- 商品についての問い合わせ
- 契約内容の確認
- 請求・支払いについての問い合わせ
- サポートに関する相談
などです。
こうした問い合わせをすべて受付担当者が受け、その後に担当部署へ取り次いでいると、電話が集中するほど負担が大きくなります。
そこで活用できるのが、IVR(自動音声応答)です。
IVRで問い合わせ先を分ける
例えば、
「商品についてのお問い合わせは1番」
「ご契約・請求については2番」
「サポートについては3番」
といった音声案内によって、問い合わせ内容に応じた着信先へ振り分けます。
適切に設定できれば、受付担当者がすべての電話を取り次ぐ必要がなくなり、担当部署へつながりやすくなります。
ただし、選択肢が多すぎるとお客様に負担をかける場合もあるため、分かりやすい案内にすることが大切です。
関連記事:IVRとは?自動音声応答システムの仕組みと導入メリットを解説
改善方法5|スマートフォンも受電端末として活用する
代表電話を受けるために、必ずしも固定電話機の前にいる必要はありません。
クラウドPBXでは、サービスによってスマートフォンを会社の電話端末として利用できます。
例えば、
受付・総務
→ 固定電話機で受電
営業担当者
→ スマートフォンで受電
テレワーク社員
→ スマートフォンやPCで受電
というように、仕事内容に合わせて端末を組み合わせる方法があります。

電話が集中する時間帯だけ、別の部署の社員が受電を補助するといった運用も考えられます。
ただし、社員が本来の業務を進められなくならないよう、受電する時間帯や担当範囲を決めておくことが重要です。
関連記事:会社の電話番号はそのままでOK!スマホで会社番号を使うメリットと活用方法
改善方法6|着信履歴を活用して対応状況を確認する
電話が集中する時間帯の改善には、着信履歴を確認することも役立ちます。
例えば、
- 何時ごろ着信が多いのか
- 応答できなかった電話は何件あるか
- 折り返しが必要な着信はあるか
- どの部署に問い合わせが多いか
などを把握できれば、電話対応の体制を見直す材料になります。
クラウドPBXのサービスによっては、着信履歴や通話履歴を管理画面から確認できるものがあります。
また、一部のサービスでは、着信件数や応答状況の集計・分析が可能です。
電話対応を改善するには、感覚だけでなく、実際の着信状況を確認することが大切です。
電話対応を分散するときの注意点

複数人で電話を受ける仕組みを整えても、運用ルールが決まっていなければ混乱する可能性があります。
特に確認したいのは次の点です。
誰がどの電話を受けるのか
代表電話、部署への直通電話、担当者への電話など、対応範囲を整理しましょう。
不在時や対応中のルール
担当者が電話に出られない場合、ほかの社員が対応するのか、留守番電話へ切り替えるのかを決めます。
取り次ぎと折り返しの方法
電話を受けた後、誰にどのように引き継ぐかを明確にします。
社員の業務負担
電話対応を分散しても、結果的に全社員が頻繁に業務を中断するようでは、効率化につながらない場合があります。
そのため、必要に応じて受電担当者や時間帯を限定することも重要です。
関連記事:電話対応のマニュアルは必要?中小企業が整備したい電話応対ルールを解説
電話が集中する企業向けチェックリスト
現在の電話環境について、次の項目を確認してみましょう。
□ 電話が集中する時間帯を把握しているか
□ 代表電話を複数人で受けられるか
□ グループ着信を利用できるか
□ 一斉着信・順次着信を選択できるか
□ 時間帯によって着信先を変更できるか
□ IVRによる問い合わせの振り分けが必要か
□ スマートフォンも受電に活用できるか
□ 不在着信や折り返し状況を確認できるか
□ 電話対応の担当者やルールが明確になっているか

すべてを一度に変更する必要はありません。
まずは、電話が集中する時間帯や、特定の社員に負担がかかっている状況を把握することから始めましょう。
まとめ|電話が集中する時間帯こそ、受電の仕組みを見直そう
電話が集中する時間帯に対応しきれない場合、単純に人員を増やすだけでなく、着信の仕組みを見直すことも重要です。
今回紹介した改善方法は、
- 複数人で代表電話を受ける
- 一斉着信と順次着信を使い分ける
- 時間帯によって着信グループを変更する
- IVRで問い合わせを振り分ける
- スマートフォンも受電に活用する
- 着信履歴を確認して改善につなげる
の6つです。
企業によって、電話件数や受電体制、必要な機能は異なります。
大切なのは、電話を受ける人数を増やすこと自体ではなく、必要な電話が適切な担当者へつながる仕組みを整えることです。
自社の電話対応に合わせて、無理なく効率的に運用できる環境を検討しましょう。
電話が集中しても、スムーズに対応できる環境へ
「代表電話が集中して、受付担当者の負担が大きい」
「電話に出られない時間帯を減らしたい」
「複数人で代表電話を受けられるようにしたい」
「部署ごとに問い合わせを振り分けたい」
このような課題があれば、クラウドPBXを活用した電話環境の見直しも一つの方法です。
固定電話機やスマートフォンを組み合わせながら、社員数や業務内容に合わせた受電体制を整えることで、電話の取りこぼしや取り次ぎの負担を減らせる可能性があります。
現在の電話環境や着信状況を整理し、自社に合った電話対応の仕組みを検討してみませんか。
▶ クラウドPBX・代表電話の着信分散について相談する

執筆者:メディアマート株式会社 マーケティングチーム
クラウドPBX、セキュアブラウザ等のユニファイドコミュニケーションやネットワークセキュリティに関わる事業を約15年運営。業界の最新常識やトレンド情報を発信しています。
