2024年以降、企業の固定通信環境は大きなターニングポイントに直面しています。
NTT東日本・西日本が提供してきたISDN(INSネット)の段階的終了が正式に始まり、2028年12月には通話機能を含むISDNサービス全体が完全終了となる予定です。
ISDNは1990年代、アナログ回線より高速かつ安定したデジタル通信として、FAX、企業内PBX、POS、警備システム、医療機器など、さまざまな社会インフラに広く採用されてきました。30年以上にわたって日本の企業通信を支えてきた“縁の下の力持ち”が、ついに役割を終えようとしています。
しかし、この終了は単なるサービス停止ではありません。
企業にとっては 「通信インフラの設計そのものを再定義するタイミング」 であり、電話システム刷新の絶好の機会とも言えます。
■ なぜISDNは終了するのか?(技術的背景)
単なる「古いから廃止」という話ではありません。
背景には次の要因があります。
1. 通信網のIP化が世界的潮流に
各国で固定電話網はIP網へ移行し、専用設備を維持するISDNは“時代遅れ”となりました。
2. ISDN専用の交換機・保守部品が枯渇
専用チップや交換機部品の生産が終了し、保守維持が不可能になりつつあります。
3. データ通信の主流がインターネットへ
クラウドサービスやVPNの普及に伴い、ISDNのデータ通信利用は激減。
4. 次世代IP電話網(NGN)への一本化方針
電話網をIPに一本化することで、品質向上と維持コスト削減を同時に実現できます。
■ 企業に訪れる影響:何が“困る”のか?
ISDN終了の影響は想像以上に広範囲です。
1. 既存PBXの維持が不可能に
ISDN回線に接続するオンプレPBXは、主装置・端末の老朽化に加え、保守部品が手に入らなくなります。
突然の故障 → 数日〜数週間電話が使えないリスクが現実味を帯びています。
2. 物理回線の増減ができない
繁忙期に回線を増やしたい時、ISDNでは工事が必要。
人員変動の激しい昨今では大きな足かせです。
3. テレワーク・外出対応できない
代表番号への着信はオフィスの電話機でしか受けられません。
ハイブリッドワークが常態化した今“オフィス縛り”は生産性の低下を招きます。
4. 複合機・POS・警備・医療などにも影響
FAXモデム、監視装置、タクシー無線連携、保守システム、保健医療の連携装置など、ISDNに依存しているケースは非常に多く、普段意識されていない部分で“不意の停止”を引き起こす可能性があります。
■ ISDN終了後の選択肢:何に移行するべきか?
一般的には次の3案が考えられます。
① オンプレPBXを残しつつ、ひかり電話(IP網)に切替
- メリット
- 電話番号をそのまま使える
- 現状の構成を大きく変えず移行できる
- デメリット
- 主装置の老朽化は解消されない
- 保守費用・故障リスクは残る
- テレワークには弱い
② 新しいオンプレPBXを導入
- メリット
- 電話の品質は安定
- 新しい装置で数年間安心できる
- デメリット
- 初期費用数百万円
- オフィスに依存
- 保守費が毎年発生
- 将来また更新が必要
③ クラウドPBXへ全面移行(近年はこれが主流)
- メリット
- 主装置・PBX装置が不要
- 保守費ゼロ
- 管理画面で内線・拠点を無制限に増減
- スマホ・PCで会社番号を利用可能
- 複数拠点・在宅・外出先でも同一システム
- デメリット
- インターネット環境に依存
- 極端に電波が悪い場所は通話品質が落ちる
ISDN終了による課題を“根本から解消”できるのはクラウドPBXだけと言えます。
■ クラウドPBXがISDN終了後の“最適解”である理由
1. テレワーク・外出先もオフィス内線化
スマホアプリ・PCアプリで「内線番号」を持つため、
出社しているかどうかに関係なく、代表番号の着信を受けられます。
2. 回線や内線の増減が即時反映
人員増減・部署異動・臨時拠点——
これら全てが“数クリック”で完結。
ISDN時代のように工事日程を待つ必要はありません。
3. 物理的な主装置がなくなる
故障ゼロ、保守コストゼロ。
オフィス移転時も配線・機器移設の手間がほぼゼロ。
4. コスト構造が劇的に改善
- PBX装置:購入不要
- 主装置:不要
- 保守契約:不要
- 内線電話機:スマホでもOK
- 拠点追加:無料(ネット環境だけ)
結果として、月額コストを30〜50%削減する企業が多数。
■ 今、日本企業が「クラウドPBX」へ一気に流れている理由
- ISDN終了という外的要因
- ハイブリッドワークの一般化
- システム更新費を抑える財務戦略
- 外線の自動応答や録音管理など機能強化
- 複数拠点の内線統合ニーズ
これらが一体となり、クラウドPBXが“選ばれるべき標準”になりつつあります。
■ ISDN終了時代の最有力選択肢:クラウドPBX 「V-SQUARE」
ここからは、今回のテーマに最も自然につながるポイントです。
ISDN終了に伴い、
- 代表電話をスマホに転送したい
- 複数拠点を統合したい
- 外出先から会社番号を発信したい
- PBXの老朽化を解決したい
- 社内の電話運用をクラウド化したい
という企業が急増しています。
その中で注目されているのが クラウドPBX「V-SQUARE」 です。
■ V-SQUARE が“ISDNからの移行先”として最適な理由
① 電話番号はそのまま移行可能
ISDN番号を含む既存の番号を継続利用でき、移行の心理的ハードルが極めて低い。
② スマホ・PCが即座に会社電話へ
アプリを入れるだけで、
代表番号の受発信、内線、転送 がどこでも可能。
③ 管理者画面で内線・部署・フローを自由設定
ISDN時代に不可能だった“柔軟なコールフロー”が数分で作れます。
④ セキュリティと品質を両立
高品質なIP通話基盤により、在宅でもクリアな音質を実現。
⑤ コスト最適化がしやすい
物理PBX不要で、機器・保守・工事費がゼロに近づきます。
■ まとめ:ISDNの終了は「次世代オフィス通信」へ移る絶好のチャンス
ISDNは長年、企業通信を支えてきました。
しかし、時代は“場所に縛られない電話環境”を求めています。
- テレワークも外出も内線化
- 装置の老朽化からの脱却
- 異拠点の統合
- 管理コストの削減
- 生産性の向上
これらを同時に実現できるのがクラウドPBX、そしてその最有力候補が V-SQUARE です。
ISDN終了は避けられない変化ですが、
その変化を“成長のチャンス”に変えられるかどうかは、今の選択にかかっています。

